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【プロが解説】金利上昇でも東京の不動産が「崩れない」3つの理由と、失敗しない売買戦略

不動産流通事業


金利の上昇局面が続く中、不動産の購入や売却を検討している方から「これから東京の不動産価格は暴落するのか?」という不安の声を多くいただきます。

「金利が上がれば、住宅ローンを組める金額が減るため、不動産価格は下がる」――これは経済学の教科書的な通説です。しかし現実は、東京および首都圏の不動産価格は依然として高値を維持し、崩れる気配を見せていませんが都心3区での市況変化と、潮目が変わるデータも浮き彫りに。

不動産業界で15年にわたり、様々な市場の波と最前線の取引現場を見てきた実務家の視点から、なぜ今のアドバンテージを誇る東京の市場が崩れないのか、その本質的な理由と、この局面を生き抜くための冷静な売買戦略を解説します。


理由1:新築供給の絞り込みと「建築コスト」の高止まり

価格が崩れない最大の理由は、市場に流通する物件の「供給量」がそもそも絞られているためです。

現在、建築資材の価格高騰や人件費の上昇により、新築マンションの供給戸数は歴史的な低水準が続いています。デベロッパー側も、無理に安売りして数を追うのではなく、高くても確実に売れるエリアに厳選して供給する戦略をとっています。

新築が高騰し供給数が減れば、需要は必然的に中古市場へと流れます。この「慢性的な供給不足」という土台がある限り、多少の金利上昇で価格が急激に崩れることは考えにくいのが実情です。


理由2:国内外からの「圧倒的な需要」の集中

需要の質と量も、かつてのバブル期とは大きく異なります。

まず国内の実需です。世帯年収の高い共働き世帯(パワーカップル)にとって、職住近接の利便性が高い東京の物件は依然として強いニーズがあります。金利が多少上がったとしても、購入予算をわずかに下げる、あるいはエリアを少しずらすといった調整は行われますが、「家を買うのを完全に諦める」という選択にはなりにくいのです。

さらに、海外投資家からの資金流入も見逃せません。世界の主要都市と比較して、東京の不動産は「インフラが安定している割に割安」と評価されています。彼らは日本の住宅ローン金利の変動には左右されにくいため、都心の優良物件に対する強力な買い支え要因として機能し続けています。


理由3:金利上昇による「売り控え」がもたらす需給の逼迫

金利上昇は、買い手だけでなく「売り手」の行動にも影響を与えます。

超低金利で現在の住まいを購入した層は、金利が上昇し始めると「今売って新しい家に入り直すと、高い金利でローンを組み直さなければならない」と考えます。その結果、買い替えや売却を思いとどまる動き(ロックイン効果)が生まれ、市場に出回る中古物件の数がさらに減少します。

買い手が少し減っても、それ以上に売り手(供給)が減れば、需給バランスは引き締まったままになり、価格は維持されるのです。


◆金利上昇局面に負けない「冷静な不動産戦略」

このような「崩れない相場」において、ユーザーはどのようなスタンスで臨むべきでしょうか。重要なポイントは2つです。


①「金利のノイズ」ではなく「ライフプラン」を軸にする

「価格が暴落するまで待つ」という待ちの姿勢は、現在の需給構造を見る限り、大きな機会損失になるリスクがあります。1年待っている間に支払う家賃や、年齢によるローン完済期限の短縮の方が、金利上昇による差額よりも家計へのダメージが大きくなるケースは多々あります。市場のノイズに惑わされず、ご自身やご家族のライフステージにおいて「今が動くべきタイミングか」という論理的な判断を優先させてください。


②物件選別と「取引の透明性」に徹底的にこだわる

相場全体が崩れなくても、買い手の目は確実に肥えています。これからは「駅近・管理良好・災害リスクが低い」といった強みを持つ物件と、そうでない物件の二極化(選別)がさらに進みます。


そして何より重要なのは、フェアな取引を行ってくれるエージェント(仲介会社)を選ぶことです。購入時も売却時も、物件のネガティブな情報まで包み隠さずオープンにし、自社の利益を優先する「囲い込み」をしないこと。そして、提供するサービスに見合った論理的で透明性の高い仲介手数料の仕組みを持っていること。こうした「情報の非対称性」をなくし、同じ目線で戦略を立ててくれるパートナーを見つけることが、不透明な時代における最大の防衛策となります。


◆まとめ◆

金利上昇局面の東京不動産市場は、「暴落」ではなく「二極化と選別の本格化」へと向かっています。

極端な情報に振り回される必要はありません。市場の需給構造を正しく理解し、フェアな情報を開示してくれる専門家と共に、一歩引いた視点で冷静に不動産戦略を立てていきましょう。


【参考】

新築マンションの供給数は、地域によって増加と減少の傾向が明確に分かれています。不動産経済研究所のデータによる2025年の動向は以下の通りです。

全国の動向:2025年年間の新築分譲マンション発売戸数は5万9,940戸となり、前年比で0.8%増加しました。これは4年ぶりの増加となりますが、年間供給戸数が6万戸を下回るのは2年連続です。

首都圏の動向:発売戸数は2万1,962戸で、前年比4.5%の減少となりました。首都圏での減少は4年連続であり、1973年の調査開始以来最少を記録しています。

その他の地域の動向: 首都圏や北海道、東北、九州などで供給が落ち込んだ一方で、近畿圏(11.8%増)や東海・中京圏(0.9%増)、中国、四国、北陸・山陰などのエリアでは増加しています。

このように2025年までの首都圏では減少傾向が続いていましたが、2026年の首都圏マンション市場については、2万3,000戸前後と5年ぶりの増加に転じると予測されています。

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