不動産売却の査定の種類は?相場の調べ方も解説

不動産売却の査定の種類は?相場の調べ方も解説

不動産売却を成功させるためのポイントの一つが、適正価格で売りに出すことです。
しかし、土地や建物には定価がないため、価格設定でお悩みになる方も少なくありません。
そこで、相場を調べる方法や査定の種類について解説するので、土地や建物の売却をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

査定に出すなら知っておきたい不動産売却相場の調べ方

査定に出すなら知っておきたい不動産売却相場の調べ方

まずは、不動産の価格相場をご自身で調べる方法について解説します。

レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する

相場を把握する方法としてまず挙げられるのが、レインズ・マーケット・インフォメーションを利用することです。
レインズは、不動産会社専用の物件情報サイトなので、基本的には会員の不動産会社しか情報を閲覧することができません。
しかし、レインズ・マーケット・インフォメーションなら、インターネット環境があれば、そういった不動産会社でなくても利用することが可能です。
そこには、実際に取引された価格が掲載されているので、売りたい不動産の類似物件をもとに、相場を調べることができるでしょう。

不動産情報ライブラリを活用する

不動産情報ライブラリを活用することにより、査定前に相場をチェックすることもできます。
不動産情報ライブラリとは、国土交通省が開始した、まだ新しいサービスです。
土地総合情報システムと、地価公示や都道府県地価調査を統合したもので、2024年4月1日より運用が始まりました。
2005年以降に取引された、土地や建物の成約価格も調べることが可能です。
これは、アンケート調査をもとに価格が公表されていますが、回答した方の個人情報は伏せられています。
また、約120万件の調査結果をもとに情報が掲載されているので、査定前に効率的に相場を調べることができるでしょう。

土地や建物のポータルサイトを利用する

ポータルサイトを利用し、相場を調べることも可能です。
土地や建物を売却するとき、ポータルサイトに物件の情報を掲載して買主を見つけます。
その中では、売却する土地や建物の価格だけでなく、写真や周辺環境の情報なども掲載することが可能です。
そのため、ポータルサイトで類似物件を探すと、いくらで売りに出されているのかを調査できます。
類似物件とは、立地や間取り、築年数や敷地面積などが似ている物件のことです。
同じような土地や建物の価格が、いくらなのかを把握しておけば、査定結果と比較することができるでしょう。
それらの相場を知ることによって、適正価格で売り出すことができます。

固定資産評価額から確認する

土地の相場は、固定資産評価額をもとに調べることができます。
評価額は、公示地価の70%ほどとなるのが一般的です。
公示地価は、国土交通省が定める1㎡当たりの土地の価格を指します。
固定資産評価額から相場を把握する場合、用いる計算式は下記のとおりです。
固定資産評価額÷0.7
たとえば、評価額が1,000万円の場合、1,428万円となります。

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不動産売却における机上査定とは?

不動産売却における机上査定とは?

続いて、机上査定とはどのようなものなのかについて解説します。

机上査定とは?

机上査定とは、売主から提供された情報や登記事項証明書などの書類を用いて、結果を算出する方法です。
これは、現地に足を運ばない方法なので、書類上の情報をもとにします。
そのため、依頼から結果の算出までの期間が短いのがメリットです。
一般的には3日以内、早ければその日のうちに、おおよその金額が算出できるでしょう。

机上査定での算出方法

机上査定の算出結果は、書類上の情報が根拠となります。
類似物件の過去の取引事例や固定資産評価額、地目や土地の大きさも考慮されるのが特徴です。
マンションの場合、状況によっては、精度の高い査定をおこなうこともできます。
しかし、一戸建ては土地の特徴や周辺環境などが結果に影響するので、精度が低くなりやすいことに注意が必要です。

向いている方

机上査定に向いているのは、早く結果を知りたい方やおおよその金額で良い方です。
先述のとおり、机上査定では、現地に足を運ぶことなく結果を算出します。
そのため、スピーディーに結果を知りたい方や目安の金額を把握しておきたい方などにおすすめです。
また、不動産会社が調査のために現地に訪問する際は、売主も立ち会う必要があります。
しかし、売却したい土地や建物が遠方にあったり、立ち会いのスケジュールが立てられなかったりする方もいらっしゃるでしょう。
また、忙しくて訪問査定を受けるのが難しいという方でも、売却価格を気軽に知ることができます。

注意点

机上査定の注意点は、精度が低くなる可能性があることです。
先述のとおり、一戸建ては土地の特徴や周辺環境などが結果に影響するので、精度が低くなる可能性があります。
現実的な価格を把握できないこともあるので、目安の金額として考えることがポイントです。

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不動産売却における訪問査定とは?

不動産売却における訪問査定とは?

最後に、訪問査定とはどのようなものなのかについて解説します。

訪問査定とは?

訪問査定とは、実際に現地を見てから結果を算出する方法です。
まずは、机上査定での調査をおこない、そのあとに、売却したい土地や建物を見学しにいきます。
訪問査定の場合、建物の状態や日当たりの良し悪し、周辺環境などを考慮することが可能です。
それ以外にも、机上査定では把握できないポイントも含めて調査をおこなうので、精度の高い結果が期待できます。

訪問査定での算出方法

訪問査定は、売却したい不動産の実物を目視で調査した結果をもとに価格を算出します。
それにより、日当たりや風通しの良さ、水はけの良し悪しなどは、実際に現地を見ないと把握することができないことも査定に反映させることができます。
また、周辺環境においては、道路状況や高低差、騒音や異臭なども同様です。
これらの情報を取り入れることで、より精度の高い査定をすることが可能となります。

向いている方

訪問査定に向いているのは、不動産売却をすることが決まっている方です。
訪問査定は、より精度の高い結果が期待できるので、査定結果をもとに、販売活動を開始することもできます。
また、現実的な数字を知りたい方も訪問査定が適しているでしょう。
不動産売却が決定している場合は、机上査定をおこなわず、最初から訪問査定を選ぶケースもあります。

注意点

訪問査定の注意点は、結果が出るまでに時間がかかることです。
現地に足を運んで調査をおこなうため、数週間かかることもあります。
当日は、売主も原則立ち会いが必要なので、スケジュール調整が必要なこともデメリットとなるでしょう。
また、必要書類を揃えたり、設備の修繕をおこなったりと、当日までに準備しなくてはならないことも多いです。
主な必要書類は、登記簿謄本や公図、購入時の売買契約書や間取り図などです。
しかし、これらのような売却する不動産に関する書類が揃っていると、より精度の高い調査がおこなえるので、可能な限り準備なさってください。
そして、居住中の不動産で査定をおこなうのであれば、室内の整理整頓や不用品の処分もおこなっておくのがおすすめです。

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まとめ

不動産の相場をご自身で調べる方法は、レインズや不動産情報ライブラリの活用、ポータルサイトで類似物件を検索することなどが挙げられます。
机上査定とは、現地に足を運ばずに売主から提供された情報や登記情報、土地の大きさや類似物件の取引情報などから結果を算出する方法です。
訪問査定は、実際に現地を見てから結果を算出する方法で、日当たりの良し悪しや周辺環境、道路状況などが考慮されるので、現実的な価格を算出することが可能です。