不動産売却時の火災保険解約のタイミングは?返金の有無や注意点も解説!

不動産売却時の火災保険解約のタイミングは?返金の有無や注意点も解説!

不動産売却時にしておかなければならないことのひとつに「火災保険の解約」があります。
不動産売却後に不要な保険料を支払い続けることを避けるためにも、適切なタイミングで解約するようにしましょう。
そこで今回は、不動産売却時に火災保険を解約する際の手続き方法や解約による返金の有無、解約前に火災保険で修繕しておきたい箇所について解説します。

不動産売却時に火災保険を解約する際の手続き方法

不動産売却時に火災保険を解約する際の手続き方法

不動産売却時に火災保険の解約が必要とわかっても、いつどのような手続きをおこなえば良いのかで悩むことがあるでしょう。
ここでは、不動産売却時に火災保険を解約するタイミングや手続き方法について解説します。

不動産売却時に火災保険を解約するタイミングはいつがベスト?

不動産売却時のプロセスにおいて、火災保険を解約するタイミングを見極めることは重要です。
なぜなら、不動産売却前に火災保険を解約してしまうと、引き渡しまでの期間に万が一火災や自然災害などのトラブルが発生したときに補償を受けられなくなるためです。
たとえば、売買契約後の引き渡し前に火災が発生し、建物に損害が生じたときには、その修繕費用を売主が負担しなければならない可能性があります。
したがって、火災保険の解約は「物件の引き渡しが完了し、所有権が買主に移転したあと」におこなうのがベストなタイミングです。

不動産売却時における火災保険の解約手続きの仕方

火災保険の解約手続きは、契約している保険会社に対して自己申告でおこなう必要があります。
気付かずに保険料を払い続けてしまうケースもあるため、不動産売却が確定したら早めに解約の準備を進めましょう。
解約にあたっては保険証券が必要となるので、事前に準備しておくとスムーズです。
その後、保険会社から送られてくる解約申請書に必要事項を記入し、返送します。
保険会社によってはオンラインで手続きができるケースもあるので、前もって確認しておきましょう。
解約手続きが無事に完了したら、保険会社から通知が届いて終了です。

不動産売却時に火災保険を解約したら返金される?

不動産売却時に火災保険を解約したら返金される?

火災保険は、まとめて保険料を支払うケースが一般的です。
しかし、残存期間が残っている状態で火災保険を解約することになったら、すでに支払い済みの保険料はどうなるのかは気になるところではないでしょうか。
ここでは、不動産売却時に火災保険を解約したら返金されるのかについて解説します。

未経過分の保険料は返金される

火災保険を途中解約したときには、未経過分の保険料が「返戻金」として戻ってくる可能性があります。
たとえば、不動産購入時に10年分の火災保険料を支払っていて5年目で売却するときには、残り5年分の保険料が返金される仕組みです。
ただし、途中解約は契約期間が残り1か月以上ないとできない点に注意しましょう。
また、加入して加入している火災保険が積立型のときには、保険期間の満了時に満期返戻金を受け取ることが可能です。
しかし、積立型の火災保険を契約期間の満了前に解約しても解約返戻金しか受け取れず、満期返戻金はあきらめなければなりません。

火災保険解約時の返戻金額の計算方法

火災保険を途中解約したときに受け取れる返戻金額は「一括払い保険料×返戻率(未経過料率)」の計算式で算出可能です。
返戻率は保険会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
たとえば、保険料が50万円の10年契約の火災保険を5年後に解約するときには「50万円×50%=25万円」ほどが返金される可能性があります。
具体的な返戻金額を知りたいときには、保険会社に問い合わせるのが早道です。
契約者専用のマイページ上で確認できるケースもあるため、一度チェックしてみることをおすすめします。

不動産売却前に火災保険で修繕しておいたほうが良い箇所と解約前の注意点

不動産売却前に火災保険で修繕しておいたほうが良い箇所と解約前の注意点

不動産売却時、売主は買主に契約不適合責任を負わなければならず、目に見えない箇所に不具合や欠陥が潜んでいたら損害賠償などを請求されかねません。
そのため、不動産売却後のトラブルを避けたいのなら、事前に火災保険を利用して最低限の修繕を施しておくと安心です。
ここでは、不動産の引き渡し前に火災保険で修繕しておいたほうが良い箇所や解約前の注意点について解説します。

修繕しておいたほうが良い箇所

引き渡し後のトラブルとしてよくあるのは「キッチンや浴室など付帯設備の故障」「シロアリ被害・雨漏りの発覚」「給排水管のひび割れ」などです。
これらのうち、地震や水害などの自然災害で壊れた箇所については火災保険を使って修繕できます。
また、自然災害によって故障した電化製品や家財の破損などについても、火災保険の対象となることがあります。
ただし、外壁の変色や塗装の剥がれなど経年劣化にともなう欠陥については火災保険の対象外です。
したがって、火災保険を使って家の修繕をおこないたいと考えたときには、直せるものと直せないものとを事前に確認しておくことをおすすめします。
物件の引き渡し前に必要に応じて修繕をしておけば、買主から契約不適合責任を問われるリスクを軽減できます。
なお、火災保険を利用して家の修繕をおこなっても解約返戻金が減ることはありません。
売主側が損をしてしまうことはないため、不動産売却時には火災保険を有効に活用するようにしましょう。

火災保険は途中解約可能?

火災保険は、満期以外のタイミングでも契約の途中で解約することは可能です。
ただし物件の引き渡し前に火災保険を解約してしまうと、実際に買主へ所有権を移転する間に自然災害などの被害にあうと自腹で修繕しなければなりません。
一般的に売買契約書では、所有権が移転するまでの間に受けた家の損害については売主が代金を負担して修繕しなければならないと定められているためです。
したがって、不動産売却にともなって火災保険を解約するときには、物件の引き渡しと解約までに空白期間が生じないように意識することが大切です。
また、火災保険を途中解約したら解約返戻金を受け取れますが、残りの保険期間分の保険料よりも金額は少ない点に注意しましょう。
そもそも商品によっては返金されないことがあるので、事前に保険会社へ連絡して確認しておくことをおすすめします。
契約期間が残り1か月未満のときにも、返金されないケースがほとんどです。

火災保険の解約手続きをしないと保険料の支払いが続く

たとえ不動産を売却して名義を買主に移したとしても、火災保険の契約は自動的に終了しません。
そのため、不動産売却後も火災保険の解約手続きをしないでいると、契約期間が終わるまで保険料が請求される点に注意が必要です。
しかし、火災保険の対象となるのはあくまでも契約者名義の家だけであるため、名義が買主になってから自然災害などで家が被害を受けても保険金は下りません。
保険料の支払い損となってしまうため、不動産売却時には適切なタイミングで解約の申し出を保険会社にすることが大切です。

まとめ

火災保険は不動産を売却しても自動的に解約されるものではないため、物件を引き渡したタイミングで保険会社へ解約の申し入れをすることが大切です。
火災保険を解約すると、残っている保険期間分に応じた保険料が返金されることがあります。
また、不動産売却後のトラブルを未然に防ぐためには、引き渡し前に火災保険を利用して直せる箇所がないかどうかを確認しておくことも重要です。