不動産売却における確定申告とは?必要書類や提出期間を解説!

不動産売却における確定申告とは?必要書類や提出期間を解説!

不動産を売却すると、翌年に確定申告が必要になる可能性があります。
しかし、初めて売却する方のなかには、確定申告がどのようなものか知らない方もいるでしょう。
そこで今回は、不動産売却をするなら知っておきたい確定申告とは何か、必要書類や申告期間を解説します。

不動産売却における確定申告とは

不動産売却における確定申告とは

確定申告とは、1年間の所得と納税額を自分で計算し、税務署に届け出る手続きです。
会社員のケースでは、会社が給与に対する所得税や住民税の計算・申告・納税をおこなってくれます。
しかし、不動産の売却で得た譲渡所得は、自分で申告を済ませなければなりません。
確定申告で必要な書類を集め、期限内に税務署へ提出する必要があります。
注意点として、不動産売却で損失が出たときには、確定申告をおこなう必要はありません。
不動産売却後におこなう確定申告の流れは、以下のとおりです。

流れ①利用できる特例を調べる

不動産売却後におこなう確定申告では、まず適用可能な特例があるかどうかを調べます。
利用できる制度には「不動産売却価格から3,000万円控除できる特例」などがあるので、事前に条件を確認しておきましょう。
なお、特例を使うときは、売却時に損失が出ていても確定申告の必要があるので注意が必要です。

流れ②譲渡所得税額を計算する

譲渡所得税額を求めるには、まず課税所得を計算する必要があります。
課税される譲渡所得の計算式は、以下のとおりです。
譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
この課税所得に税率をかけて納税額を計算します。
譲渡所得税の税率は、短期譲渡所得と長期譲渡所得の2種類です。
不動産の所有期間によって税率が異なるため、売却タイミングは慎重に判断しましょう。

流れ③確定申告書を作成する

納税額を把握できたら、確定申告書を作成します。
確定申告書は税務署で受け取れますが、国税庁のウェブサイトでもオンライン申請が可能です。
オンライン申告では入力する金額を自動で計算してくれるため、手書きよりもスムーズに申告ができます。
国税庁のホームページを確認すれば、申告の仕方や確定申告書の記入例も把握できるでしょう。

不動産売却の確定申告における必要書類

不動産売却の確定申告における必要書類

不動産売却後におこなう確定申告では、さまざまな書類が必要です。
必要書類が揃っていないと、きちんと申告ができずに、罰則が科せられる可能性もあります。
余計な費用負担とならないよう、事前に確定申告の必要書類とは何か確認しておきましょう。

税務署でもらえる確定申告の必要書類

不動産売却の必要書類として、まず「確定申告書B様式」が挙げられます。
これは譲渡所得があるときに必要な書類となっており、税務署で受け取りが可能です。
国税庁のホームページでもダウンロード可能となっているので、確認しておきましょう。
また、分離課税用として確定申告書第三表も必要書類です。
確定申告書第三表とは、譲渡所得の詳細を記入する用紙を示します。
この書類は確定申告書同様に、最寄りの税務署や国税庁のホームページで入居可能です。
その他、譲渡所得の内訳書も必要書類として挙げられます。
この書類は、不動産の所在地や売却額・購入額・などを記載する用紙です。
不動産売却後に国税庁から自宅に郵送されるので、大切に保管しておきましょう。
紛失したときには国税庁のホームページから書式をダウンロードする必要があります。
自分で情報を記載する必要があるため、事前に記入例を確認しておくのがポイントです。

自分で用意する確定申告の必要書類

確定申告で必要になる書類のなかには、自分で用意しなければならないものもあります。
自分で用意する必要書類の代表的なものは、売買契約書のコピーです。
不動産購入時の売買契約は取得費を計算するときに、売却時の売買契約書は譲渡価額を証明するために用います。
さらに、仲介手数料や印紙税といった諸費用の領収書も必要です。
これらの書類がなくても確定申告はおこなえますが、納税額が明確に計算できず、支払う額が増えてしまう可能性があります。
他にも、売却した不動産の登記簿謄本が必要です。
この書類には、不動産の所在地や所有者・抵当権などの情報が記載されています。

必要に応じて用意する書類

確定申告には、源泉徴収票やマイナンバーが必要になるケースがあります。
とくに、給与所得者のケースでは、源泉徴収票に記載された情報を転記しなければなりません。
源泉徴収票の提出は不要となっていますが、確認のためにあらかじめ準備しておきましょう。
なお、自営業者はその必要がないため、本人確認書類としてマイナンバーなどを用意しておけば問題ありません。

不動産売却の確定申告における期間

不動産売却の確定申告における期間

不動産売却後の確定申告には、期限があるので注意が必要です。
罰則などを避けるために、あらかじめ確定申告の期間や場所を把握しておきましょう。

確定申告の時期

確定申告は、不動産を売却した翌年に手続きをおこなうのが原則です。
毎年2月16日~3月15日が申告期限となっているので、忘れずにおこないましょう。
たとえば、2021年1月に売買契約を締結して3月に引き渡しをおこなったケースでは、2022年2月16日~3月15日が申告時期となっています。
1年ほど先の手続きとなっているため、取引時に受け取った売買契約書や領収書などはきちんと保管しておかなければなりません。
なお、締切間近になると税務署の窓口が混雑する可能性があります。
混雑を避けるには、期間に余裕を持って提出するか、オンライン申請を利用しましょう。
ただし、オンライン申請には事前準備が必要です。
利用者識別番号を取得する手続きも必要になるため、早めに準備しておく必要があります。

確定申告の提出場所

確定申告の提出場所は、居住地を管轄する税務署です。
売却した不動産の住所地を管轄する税務署と勘違いしやすいので注意しましょう。
提出場所を間違えてしまうと、きちんと申告されず、期間を過ぎる可能性もあります。
申告期間を過ぎると、ペナルティとして無申告加算税や延滞税が課せられ、売主の負担が大きくなってしまうでしょう。
余計な出費を避けるためにも、期限は守ることをおすすめします。

住民税と所得税の納税時期

住民税と所得税は、納税時期の違いに注意しなければなりません。
2月16日~3月15日に確定申告をおこない、納税するのは「所得税」です。
住民税は所得税とは異なり、毎年6月頃に納税額が決まります。
その年の1月1日時点で市町村に住所がある方に対して課税されるものとなっているので、所得税と混同しないように注意しましょう。
所得税は、個人所得に対してかかる税金です。
1年間の所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用させて税額を計算します。
住民税と所得税を間違えて覚えてしまうと、申告期間内に必要書類を提出できない可能性があり、損をする確率も高まるでしょう。
不動産売却でより多くの利益を残すためにも、確定申告の期間は正しく把握しておかなければなりません。

まとめ

確定申告とは、1年間の所得と納税額を自分で計算して税務署に届け出る手続きのことです。
不動産の売却で得た譲渡所得にかかる税金は自分で申告しなければならず、必要書類には申告書や売買契約書のコピーなどがあります。
申告の期間は売却した翌年の2月16日~3月15日で、居住地を管轄する税務署に書類を提出しなければなりません。