不動産の相続時にかかる税金の種類は?計算方法や控除についても解説
不動産を相続する場合は、かかる税金について計算しておく必要があります。
税金の知識を深めれば手続きがスムーズにおこなえ、控除の活用によって納税の負担を軽減できるでしょう。
そこで今回は、不動産の相続時にかかる税金の種類と計算方法、控除について解説します。
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不動産の相続時にかかる税金の種類
不動産の相続時にかかる税金は「登録免許税」と「相続税」の2種類です。
ここでは、それぞれの税金の概要について解説します。
登録免許税とは
相続した不動産は、名義を変えるための登記手続きが必要です。
相続登記の申請時にかかる税金が、登録免許税です。
登録免許税は現金納付が原則ですが、税額が3万円以下であれば収入印紙による納付も認められています。
また、オンライン申請をおこなった場合は、電子納付も可能です。
現金納付は以下の手順でおこないます。
●納付書に必要事項を記入して窓口に提出する
●登録免許税を支払う
●交付された領収証書を登記の申請書に貼り付ける
●登記所に提出する
収入印紙で納付する場合は、法務局や郵便局、コンビニエンスストアで購入できます。
登録免許税納付用台紙に収入印紙を貼り付けて納付します。
収入印紙で納付したい場合は、事前に法務局に確認しておくと良いでしょう。
相続税とは
相続税とは、受け継いだ遺産に対してかかる税金のことです。
不動産を含め、相続した財産の総額が基礎控除額を超えると相続税が発生します。
相続税では、自分で税金を計算して納付書を作成する必要があります。
相続開始日から10か月以内に納付書を作成し、一括で納付するのが原則です。
納付は金融機関などを通しておこないます。
また「国税クレジットカード支払いサイト」からクレジットカード払いをすることも可能です。
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不動産の相続で発生する税金の計算法
不動産の相続時は発生する税額をあらかじめ計算し、納税のための資金を準備しておくことが大切です。
ここでは、登録免許税と相続税の計算法を解説します。
登録免許税の計算法
登録免許税の計算法は「固定資産税評価額×0.4%」です。
固定資産税評価額は1,000円未満を切り捨てで計算します。
固定資産評価額は3年に1度、市区町村による見直しがおこなわれるため、現在の評価額を確認することが必要です。
不動産が所在する市町村役場の窓口に直接行くほか、郵送での取得もできます。
相続税の計算方法
相続税の計算方法は、以下のステップを踏む必要があります。
●遺産総額を求める
●基礎控除額を引く
●相続税の総額を計算する
●法定相続人ごとの相続税額を求める
●利用できる控除額を確認する
初めに受け継ぐ遺産すべてを確認し、遺産総額を求める必要があります。
相続税の対象となる遺産には、不動産のほかに現金や株式、死亡保険金などが含まれます。
相続開始前7年以内の贈与財産の加算も忘れないようにしましょう。
プラスの財産から借金や葬儀費用を差し引くと、遺産総額が求められます。
次に、遺産総額から基礎控除額を差し引きます。
基礎控除額の計算法は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
たとえば法定相続人が2人であれば、3,000万円+1,200万円で4,200万円になります。
この場合、遺産総額が4,200万円以下であれば相続税は発生しません。
法定相続人の数が多いほど、基礎控除額は大きくなりますが、法定相続人の数を作為的に増やせないようにするためのルールにも注意が必要です。
法定相続人になれる養子の数は実子がいる場合1人まで、いない場合2人までと定められています。
遺産の総額から基礎控除額を差し引いたうえで、相続税が発生する場合は法定相続人全体の相続税額を計算する必要があります。
このステップでは、それぞれの法定相続人が実際に取得する遺産の割合ではなく、法定相続割合で計算しましょう。
たとえば、配偶者と子ども1人の場合は2分の1ずつ、配偶者と子ども2人の場合は、2分の1と4分の1×2人の計算になります。
法定相続人それぞれの相続税は、受け取る遺産総額によって異なります。
1,000万円以下の場合は税率10%、3,000万円以下では税率15%と控除額50万円のように金額により異なる税率が定められているため、確認して計算しましょう。
各法定相続人の単独の税額が計算できたら、合算して遺産全体の相続税の総額を求めます。
さらに、相続税の総額を実際に取得する遺産の割合に応じて法定相続人の間で分割します。
遺産の分割方法は、遺書に従うか遺産分割協議によって決めることが一般的です。
遺産の割合に応じた各相続人の税額は「相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の総額」で求めます。
最後に、適用できる控除がある場合は差し引けば、最終的に納付する相続税の金額が算出できます。
不動産の相続税評価額の求め方
不動産の相続税評価額は、土地と建物に分けて計算します。
土地の評価基準は路線価方式か倍率方式のどちらかで計算されます。
路線価方式は市街の宅地で多く使用されており、計算法は「路線価×補正率×土地面積」です。
倍率方式は郊外の宅地での使用が多く「固定資産税評価額×地域ごとの倍率」で計算します。
土地に建っている家屋の評価額は、基本的には固定資産税評価額と同じです。
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不動産の相続時に活用できる控除制度
ここでは、不動産の相続時に活用できる控除制度として「贈与税額控除」「配偶者控除」「相次相続控除」の3つを解説します。
贈与税額控除
贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重払いにならないよう、すでに納めた贈与税を相続税から差し引ける制度です。
3年以内に贈与税を納めた方や相続時精算課税制度を利用した方は、忘れずに申告する必要があります。
また、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの期間で「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」も実施されています。
直系尊属からの贈与で居住用の住宅の新築や改築などに充てる資金を受け取った場合は一定額の贈与税が非課税です。
生前に相続を検討する場合は、贈与と相続のどちらが節税になるか比較検討したうえで決めることをおすすめします。
配偶者控除
配偶者控除とは、故人の配偶者の生活を守るために制定されている制度です。
配偶者控除では、課税対象の財産のうち1億6,000万円まで相続税が課税されません。
また、1億6,000万円以上の遺産でも配偶者の法定相続分までは課税されないルールとなっています。
ただし、配偶者控除を受けるためには、故人の戸籍上の配偶者でなければいけません。
内縁関係の方がこの制度を利用することはできないため、注意しましょう。
相次相続控除
相次相続控除とは、10年以内に複数の相続が発生した場合に相続税の負担が過重になることを防ぐ制度です。
経過年数に応じて1年につき10%の割合で税額が軽減され、相続から相続までの期間が短いほど控除率が高くなります。
たとえば、祖父が亡くなってから2年後に父も亡くなった場合、父からの相続では80%の相続税が控除されます。
相次相続控除は、被相続人の相続人であることが要件のため、遺言書によって受け取った遺産については適用されません。
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まとめ
不動産の相続時にかかる税金には、登録免許税と相続税の2種類があります。
登録免許税の税額は「固定資産税評価額×0.4%」、相続税は基礎控除額を差し引いた額に金額ごとの税率をかけて計算します。
相続時には贈与税額控除や配偶者控除、相次相続控除も活用できるため、要件に当てはまるか確認しましょう。
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